『ウィキッド』シリーズは、アリアナ・グランデ演じるグリンダや、シンシア・エリヴォ演じるエルファバが登場する大ヒットミュージカル映画です。
第一作目の『ウィキッド ふたりの魔女』は2025年3月7日に公開され、第97回アカデミー賞では10部門にノミネート、美術賞と衣装デザイン賞の2部門を受賞しました。
また、続編の『ウィキッド 永遠の約束』では第83回ゴールデン・グローブ賞において、シンシア・エリヴォがミュージカル・コメディ部門の主演女優賞、アリアナ・グランデが共通部門の助演女優賞にノミネートされるなど、評価が高いことでも知られています。
『ウィキッド』はブロードウェイ・ミュージカルの演目「オズの魔法使い」よりも前の時代の前日譚です。つまり、「オズの魔法使い」ではドロシーが迷い込んだオズの国を旅するストーリーですが、『ウィキッド』はそれよりも前、ドロシーがやってくる前に魔女たちがどう生きていたかを描いた物語です。
今回はグリンダを演じたアリアナ・グランデに注目してみようと思います!
以下、ネタバレを含みますのでご了承ください。
『ウィキッド』でアリアナ・グランデが演じた役は誰?
『ウィキッド』シリーズでアリアナ・グランデが演じたのは、「善い魔女」とされるグリンダです。それに対し「悪い魔女」はシンシア・エリヴォが演じた緑色の肌をしたエルファバです。
2人の出会いは、魔法学校のシズ大学でルームメイトとなったことが始まりです。最初は、お互い真反対の性格で嫌悪感を抱いていましたが、本当の姿を知ることで親友になります。
物語が進むにつれて、エルファバはオズの国で権力者による非道な行いを知ってしまいます。エルファバは自由のために闘うことを決意しますが、そのことが都合の悪い権力者により、緑色の肌や強い魔法の力を持つエルファバを「悪い魔女」と仕立て上げられたのです。
一方で、グリンダはオズの国で「善い魔女」として祭り上げられており、いつも周囲の注目を集めるブロンドの美少女です。彼女が最も大切にしているのは全員から愛される事であり、周囲からの評価を気にしています。エルファバのような魔法の才能はなく、グリンダは権力者に支配されている社会の中で、民衆の不安を和らげる「希望のシンボル」として利用されます。それでも彼女はオズの国の平和を保つために、世間の期待通りのイメージを演じることを選んだのです。
お互いの使命を理解し、その役割を果たすために、あえて別々の道を選んだグリンダとエルファバですが、2人の友情は決して変わりませんでした。このことは続編の『ウィキッド 永遠の約束』でも触れられている内容となっています。
アリアナ・グランデのオーディションにかけた熱い想い
アリアナ・グランデは10歳の頃にブロードウェイで『ウィキッド』を初めて観てから大ファンになり、全ての歌詞を暗記するほど夢中だったそうです。その頃から、いつかはグリンダ役を演じたいと切望していたそうです。
そのためオーディションにかけた彼女の熱意は相当なもので、アリアナ・グランデ曰く、ポップ音楽と『ウィキッド』での歌は別物で、オーディションの2ヶ月半から3ヶ月前から、演技と歌のレッスンをプロから受けていたそうです。今回アリアナ・グランデが演じたグリンダ役は、超高音で歌いながらもセリフや歌詞の言葉をはっきり聞き取らせるという、オペラ歌手が使うコロラトゥーラ唱法が必要で、このテクニックを自然にできる状態にするために、声帯の形を変えるほどのトレーニングを毎日行っていたそうです。
また自宅のクローゼットの一部をピンクアイテムコーナーにしていたというエピソードもあります。グリンダになりきり、下着までピンクだったそうです。スクリーンの中だけでなく私生活でもグリンダに成り切るほど、グリンダ役への愛は相当なものだったと伺えます。それだけにとどまらず、アリアナ・グランデは監督へウィキッドへの思い入れや知名度ではなく演技力で判断してほしいと手紙まで送っています。アリアナ・グランデはロサンゼルスで開催された「ウィキッド」のプレミア後のパネルディスカッションで、”I do think though, if it hadn’t happened, I might have ended up in an insane asylum. So there’s that.”(もし役を手に入れられなかったら、精神を病んでいたかもしれません。)とも語っており、彼女にとってグリンダ役がどれほど特別な存在だったかがうかがえます。
アリアナ・グランデのライバルはあの有名な俳優たちだった!
『ウィキッド』では、知名度にかかわらず、キャスト全員がオーディションを受けています。アリアナ・グランデの他にも、グリンダ役のオーディションを受けていた有名な俳優がわかっています。
1人目は、数多くの映画やテレビドラマに出演しているダヴ・キャメロンです。メディアのインタビューで本人が明かしています。アリアナ・グランデともミュージカル番組での共演をきっかけに親交があるようです。
そして2人目はアマンダ・サイフリッドです。彼女もメディアでオーディションを受けたことを明かしています。アマンダ・サイフリッドは「マンマ・ミーア!」シリーズや「レ・ミゼラブル」など超有名作品で主役や主役級の役を務めており、その高い歌唱力は周知の事実です。個人的にはアマンダ・サイフリッドの声が好きだったので、彼女が演じるグリンダも見てみたかったなぁ、と思います。
そんな実力派揃いの中で、グリンダ役を勝ち取ったアリアナ・グランデの努力は並大抵のことではなかったと思います。全ての努力を注いだからこその結果なのだとも思いました。
『ウィキッド』でアリアナ・グランデの演技や歌の評価は?
グリンダ役は、お調子者のコミカルな面と誠実さ、そして悲劇性のバランスを両立させなければならない難役だ、と批評家のローレン・ラマグナは指摘しています。そのため、初めての本格的な映画出演となるアリアナ・グランデに対しては、公開前から「務まるのか」不安視する声が少なくありませんでした。
また、ミュージカル映画では、演技と歌唱シーンは別撮りされることがスタンダードとされていますが、本作では演技をしながら生歌で撮影するという手法が採用されており、極めて難易度の高い撮影だったといいます。
しかし蓋を開けてみると、そうした不安は一変します。
ただでさえ演じるのが難しいグリンダを、演技をしながら歌うという難易度の高い挑戦をしたアリアナ・グランデですが、その高い歌唱力と役になりきった演技は高く評価されました。その結果、第97回アカデミー賞助演女優賞にもノミネートされています。
ポップスターとしてのイメージが強かったアリアナ・グランデですが、批評家からも実力を認められたことは、『ウィキッド』最大の見どころの一つだと言えるでしょう。そして、この評価は続編『ウィキッド 永遠の約束』でも引き継がれており、シリーズを通してアリアナ・グランデの演技力や歌唱力の高さが伺えます。
今後、アリアナ・グランデは歌手としてだけでなく、俳優業においても注目していく必要がありそうですね。
アリアナ・グランデの経歴は?タトゥー好きで日本語も⁉︎
アリアナ・グランデ(Ariana Grande)は1993年6月26日生まれで、アメリカのフロリダ出身です。世界的ヒットを生み出しているシンガーソングライターと知られていますが、幼少期から子役・俳優として活躍してきました。8歳の頃にはアイスホッケーリーグの試合で国歌斉唱をして、テレビデビューしました。とても初々しくて可愛いので、ぜひ気になる方は [Ariana Grande National Anthem] と検索してみてください。
歌手としては2013年にデビューアルバム「Yours Truly」をリリースしており、全米ビルボード初登場1位を記録しています。かのマライア・キャリーを連想させる歌声や、4オクターブの音域を特徴としていることから「ネクスト・マライア」と評されることもあるそうです。
近年では2019年にシングル「7 rings」が大ヒットしており、全米シングルチャートで1位から3位までを独占する歴史的快挙を達成しています。その際に、タトゥー好きとしても知られるアリアナ・グランデは手のひらに7 rings = 7つの指輪にちなんで「七輪」という文字を入れました。しかし、「七輪」は日本の調理器具であると多くのファンに指摘されたため、「七」と「輪」の間に「指」と「♡」を足して「七指輪♡」へ修正したエピソードがあります。
私も街を歩いていると、日本好きの外国人の方が好きな漢字をタトゥーとして入れているのを目にすることが多々あります。その中には日本人からすると「なぜその漢字を選んだんだ…」と疑問に思うものもありますよね。私にとって「七輪」は、アリアナ・グランデが意図したものとは違う意味でしたが、インパクトの大きい失敗談でした(笑)
まとめ
アリアナ・グランデが演じた『ウィキッド』のグリンダは、単なる「善い魔女」ではなく、周囲の期待とのはざまで葛藤しながら自分の役割を選び取っていくキャラクターでした。10歳のときからの憧れの役を掴むために、歌唱法から生活スタイルまで徹底的にグリンダになりきった彼女の努力は、アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞のノミネートという形でも評価されています。
続編『ウィキッド 永遠の約束』では、グリンダとエルファバがそれぞれの道を歩みながらも変わらぬ友情を見せてくれます。前作を観てグリンダとエルファバの物語に引き込まれた方は、ぜひ続編もあわせてチェックしてみてください。

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