「プラダを着た悪魔」エミリーとは?エミリー徹底解説

「プラダを着た悪魔」は2006年に公開され『働く女性のバイブル』と言われるほど多くの働く女性の心を掴み、大ヒットしました。20年の時を経て続編が2026年に公開され、公開17日間で動員数227万2014人、興行収入34億円を突破し、こちらも大ヒットとなっています。

前作ではファッション誌「ランウェイ」編集長ミランダと、アシスタントとして働くことになったアンディの2人の出演シーンが特に印象的でしたが、「プラダを着た悪魔2」の映画ポスターからも、ミランダやアンディだけでなく、前作にも登場したエミリーやアートディレクターのナイジェルも、主役級の出番を担っていることが分かります。

そこで今回は、「プラダを着た悪魔2」を見るまえの予習として、前作の中で私が1番好きだったキャラクター「エミリー」について徹底解説していきたいと思います。

エミリー役はどんな役?メイクやファッションの特徴は?

エミリーは、ファッション誌『ランウェイ』編集長ミランダの第1アシスタントを務めるキャラクターです。編集部の内部事情やミランダを知り尽くし、新人のアンディに仕事の進め方を教える役割も担っています。

I love my job. I love my job. I love my job.と自分に暗示をかけながら働く仕事中毒で、常に木を張り詰めた状態で業務をこなす完璧主義者。アンディに対しては時に意地悪な態度を見せますが、その根底には「ミランダのご機嫌を損ねてはいけない」という切実なプレッシャーがあり、単なる嫌味なキャラクターではないところもエミリーの魅力だと思います。

ファッション面では、細身のパンツスーツやタイトなワンピースなどを軸に、ハイブランドのアクセサリーや個性的な靴を効かせたスタイ林が特徴的です。それは「ランウェイで働く女性」を体現するお手本のような着こなしを見せてくれます。

メイクは、目尻を少し跳ね上げたシャープなアイライナーと、彫りの深さを強調する濃いアイシャドウが、ブルーグリーンの瞳を印象的に際立たせています。

私には、隙のない身だしなみそのものが、ファッション業界で生き抜くための「鎧」のようにも見えていました。

エミリーの超過激なダイエットとは⁉︎

エミリーはパリコレに行くために、大好きなチョコムースプリンを我慢するなど、日頃からダイエットをしています。しかし、その内容がとても過激であることは、エミリーの発言を聞いていると痛いほど伝わってきます。

その中でも私が驚いたのはこちらのセリフ↓

”I don’t eat anything and when I feel like I’m about to faint, I eat a cube of cheese. I’m just one stomach flu away from my goal weight.“(何も食べないわ。倒れそうになったらチーズをひとかけ食べるの。胃腸炎になれば理想の体重が手に入るわ。)

常人には決してできない荒技であり、体調を崩すことを願っている発言…恐るべし、エミリーです。

これまで自分の身体、下手すると命よりも「第1アシスタントとしてパリコレへ行くこと」こそがエミリーの行動原理の全てでした。しかしその夢は事故によって打ち砕かれてしまいます。その事を悟った瞬間、入院先の病院のベッドで、これまで我慢していた高カロリーのチョコムースプリンや、一切口にしなかったパンを口いっぱいに頬張る姿は、まさに「ヤケクソ」という言葉がピッタリでした。

そんな人間味あふれるエミリーを、私は大好きになりました。ただの意地悪な先輩ではなく、その道のプロとして自分にも相手にも厳しくあり続けていたのだと気づいたからです。誰に強制されたわけでもなくやり通す姿は、とてもかっこよく映りました。

エミリーが可哀想と言われる理由

映画ファンの中には「エミリーが可哀想」という声が多く聞かれます。

先に述べた通り、パリコレへの参加のために過酷なダイエットを続けてきたにも関わらず、事故により後輩のアンディがその代わりとしてパリへ行くことになるためです。

実際には、エミリーが事故に遭う前から、ミランダに能力が買われたアンディがパリへ行くことはすでに決まっていました。順番はどうであれ、エミリーの常軌を逸した努力は報われることなく、パリへは行けなかったのです。

プロ野球選手で監督だった王貞治氏の「努力は必ず報われる」という言葉は有名です。確かに、王氏のように毎日血のにじむような努力を重ねて成功を掴む人もいます。

しかし一方で、エミリーのように、どれだけ努力しても報われないこともあるのもまた現実です。

私も初めて「プラダを着た悪魔」を映画館で見た時には、エミリーをただただ可哀想だと感じました。しかし何度も見返すうちに、可哀想だ、という感情だけでなく、エミリーのこの境遇を通して突きつけられる現代社会の冷徹さを、まざまざと感じるようになりました。

「エミリー」実は本名だった⁉︎エミリー・ブラントのオーディション秘話

「プラダを着た悪魔」でエミリーを演じたのはイギリス・ロンドン出身の女優「エミリー・ブラント」です。エミリーはこのエミリー役をオーディションを受けて勝ち取りました。

役名と俳優名が同じで少しややこしいのですが、噂では、審査員たちに名前を覚えてもらうために、芸名を「エミリー」にした…とかそうでないとか…審議のほどは定かではありません。

真実はさておき、実はエミリー・ブラントが「プラダを着た悪魔」のオーディションは偶然だったとされています。もともと別のオーディションを受けるために、20世紀フォックスのスタジオを訪れていた際に、スタジオのスタッフから受けてみないか?と声をかけられたそうです。

さらに興味深いのは、オーディション当日、エミリーはロンドンへ帰国する飛行機に乗り遅れそうで焦っており、イライラしながら急いでセリフを読み上げた、というエピソードです。

その苛立った様子が、仕事や雑用に常に追われてピリついているエミリー役にピッタリだったため、抜擢に繋がったと言われています。まさに「奇跡」としか言いようのない巡り合わせだと思いませんか?

ただ、エミリー・ブラントのオーディション当日の服装が“スウェット”だったようで、ファッショナブルな映画に相応しい俳優だと証明するため、監督から直々に電話で、スタイリッシュな服装で再度オーディションをしたい、と伝えられたというエピソードも残っています。

エミリーを演じた「エミリー・ブラント」はどんな俳優?出演作品や経歴は?

現在では多くの作品に出演しているエミリー・ブラントですが、「プラダを着た悪魔」以前は映画ファンの間でも無名の俳優でした。しかし、エミリー役を演じたことをきっかけに、彼女のキャリアは急成長していきます。

代表作としてよく知られているのが、第96回アカデミー賞で作品賞や監督賞をはじめとする最多7部門を受賞した映画「オッペンハイマー」です。この作品でエミリー・ブラントは受賞こそ逃したものの、オッペンハイマーの妻役で、第96回アカデミー賞の助演女優賞、第81回ゴールデングローブ賞の助演女優賞にノミネートされました。

その他にも大ヒットした「クワイエット・プレイス」シリーズや、ミュージカル映画「メリー・ポピンズ リターンズ」など、話題作に多数出演しています。

今や有名俳優の1人となったエミリー・ブラントですが、彼女が俳優を目指したきっかけを知ると、その道のりの意外さに私は驚か我ました。

エミリーは10歳の頃から吃音症(きつおんしょう)という、発話障害を抱えていたのです。12歳の時には話すことを全くやめてしまった、とインタビューで語っています。

吃音症とは言葉がどもったり、同じ言葉を繰り返すなど、言葉をスムーズに話すことが難しくなる発話障害であり、症状の現れ方は人によってさまざまです。

思春期の女の子が、吃音症に悩まされていたことを想像すると、当時の苦しさは計り知れません。

エミリーが吃音症を克服したきっかけとなったのは、学校の演劇で先生に「北部なまり」を話すように言われたことでした。それをきっかけに、徐々に回復していったようです。

この経験によって、エミリー・ブラントは「他の誰かを演じたい」という思いを抱くようになり、俳優を目指す事を決意したそうです。

障害を乗り越えて俳優として成功したエミリー・ブラントに、私は心から敬意を抱いています。

まとめ:エミリーを知ってから見る「プラダを着た悪魔2」はもっと面白い

意地悪なようで実は誰よりも仕事に真摯なエミリー。彼女の努力や葛藤知ってから「プラダを着た悪魔2」を見ると、きっと前作以上に彼女の一挙一動から目が離せなくなるはずです。エミリーがどんな立場で、どんな表情を見せてくれるのかーーーぜひ劇場で確かめてみてください。

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